Bruise Claw<ブルーズクロー>第6話
「・・・がふっ!!?やば!!いつの間にか寝ちゃってた!!
また置いてかれた!?」
豪快に目覚めたミリシア。
寝ぼけ眼で左右を見回している。
「ようやく起きたか、寝坊助さんが」
「って・・・ラ、ラララキット・・・!!?」
「あん?何でそんなパニクってんの?」
「出てけぇええええええ!!」
「!!!!?????」
近場にあった枕やら荷物を投げつけられ部屋を追い出されたラキット。
「なんだってんだよ・・・」
「そりゃお前が悪いな。だからもうひと部屋とるべきだと言ったんだ。
年頃の娘の気持ちを少しは考えてやれ(まして、好きな奴といきなり同部屋て)」
「なに急にお父さん目線で語ってんだよ。たかが一晩二部屋も取る必要ないだろ!」
「やれやれ・・・これだからケチは嫌だね」
ガチャ・・・
「ご、ゴメン・・・いきなりだったからパニクっちゃって・・・」
「お、おう・・・」
「とりあえず飯にしよーぜ」
三人は宿屋の店主おススメの街で有名な食事処に向かった。
「ここか。飯屋っていうか・・・見てくれは酒場じゃねぇか」
「なんでもいいさ。腹減った」
「わたしも~・・・腹ペコ」
「いらっしゃい。空いてるとこにどーぞ」
入ってそばのカウンターの店主に促されるまま、奥のテーブル席についた3人。
すぐに可愛いウェイターが注文を取りに来た。
「いらっしゃいませ!何にしましょうか?」
「そうだな・・・エッグサンドセットとコーヒーで」
「私はこのバーガーセットで!」
「んじゃ俺はトラ豚ガッツリステーキで」
「かしこまりました!お客さんたち、見ない顔だけど、
観光・・・って感じじゃないですね。冒険者さんです?」
「まぁ、そんな所かな。見た所・・・同業者みたいな客が多いみたいだけど、
ここら辺って、なんか美味しい話とかあったりすんの?」
「美味しい話かどうかは分からないですが、この辺りダンジョンが多いんですよねー。
しかも最近、なんか新しいダンジョンも見つかったとかで、
それで結構冒険者の出入りが激しいんですよー。
お店としてはお客がたくさんでありがたい限りなんですけどね」
「新しいダンジョン・・・ね」
「やっぱり”魔界”の活発化って話、ガチっぽいなぁ」
地上の人間界、地下の魔界、そして天上に存在する天界。
魔界に新たな魔王が誕生したと巷では噂になっている。
魔界の活発化により、ダンジョンが新たに生まれているといわれているが、
その真相は定かではない。
「物騒ですよねー。じゃ、しばらくお待ちくださいね!
はーい!今伺いまーす!」
そう言ってウェイターは別のテーブルに小走りで向かった。
「ねぇねぇ・・・食事のあとはどうするの?」
「食料の調達をして、その足で出発するかな。
『ウーラネウスの地下迷宮』は、近くにある神殿から入るみたいだ」
「神殿の地下にダンジョンねぇ・・・一体どういう経緯で出来たんだ?」
「真実かどうかは知らんが、天使ウーラネウスが天界を追放されて
何もかも嫌になって作ったとかなんとか・・・」
「ふーん・・・じゃあ『虹色の宝玉』の一つ・・・エンドレスブルーも
その天使ウーラネウスが持ち込んだモノなのか?」
「さぁ・・・そこまではわからないな」
「てかさ、じゃあその天使さんが今も地下に引きこもってたりするのかな?」
「・・・まぁこの引きこもり伝説が本当なら・・・
もしかしたらその可能性もなくはないかもだが・・・」
「冒険王トマスがエンドレスブルーを発見したけど、諦めた理由ってのが、
天使ウーラネウスが守ってたりしたから・・・とかだったりしてな。
ぶっ・・・さすがにないか!あっはっは!!」
「・・・その可能性もなくはないかもしれないな・・・」
「・・・へ?おいおい、冗談だって、そんな真に受けるなって」
「いや、可能性としてはなくはないかもだし、
それはそれとして、最下層・・・宝を守護するボスがいても全然不思議じゃない。
冒険王トマスは、そいつに勝てなかったから諦めたんじゃないか?」
「あー・・・その可能性はありそうだな・・・」
「とにかく、楽な道のりじゃなさそうだなぁ・・・」
「いいじゃない!困難こそ冒険者魂をくすぐるってもんよ!」
「お待ちどお様!エッグサンドセットとコーヒー、
こちらが特製バーガーセットになります!
トラ豚ガッツリステーキはもう少しお待ちくださいね!」
そう言うとウェイターは去っていった。
「んじゃ、お先に失礼。悪いなアーマス」
「おっさきー!わーおっきい!!」
「へいへいお先にどーぞ・・・って・・・あ・・・あ・・・!!」
アーマスが何気なく視線を周りに移すと、何かを発見したのか
目が点になって固まっている。
「?どうした?」
「じぇ・・・じぇ・・・」
「じぇじぇ?」
「ジェーケーがおる・・・!!」
「ジェーケー?なんだよそれ?」
「あの女の子?なになに?アーマスのタイプの子!?」
「東の国・・・ニホンの女子高生だよ!うおおおおおお!!」
「なんでこんなところにニホンの学生がいるんだよ・・・コスプレか何かじゃないのか?」
「てか、アーマス・・・ちょっとキモい・・・」
「こいつニホンが大好きってのは聞いてたが、アニメや漫画だけじゃないのか・・・
俺もちょっと引くな・・・」
「うるさい!!可愛いは正義だろうが!!」
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