地球のドラゴンボールを狙い、砂星ガルドーラ、氷星グラシア、雷星ヴォルザークの三勢力が同時に襲来した。悟空たちは神殿で状況を確認し、三つのチームに分かれて各地の敵へ向かう。荒野には悟空たち、氷原にはベジータたち、雷鳴響く山岳地帯には悟飯たちが到着。だが、彼らを待ち受けていた副官たちの実力は、想像をはるかに超えるものだった。
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ドラゴンボール外伝 銀河封神伝 第1話|三つの星より来た侵略者!地球のドラゴンボールを狙う影
魔人ブウとの激闘から、地球には穏やかな日々が戻っていた。悟空は修業を楽しみ、ベジータはさらなる高みを目指し、悟飯は家族との時間を大切にしている。だが、その平和は長くは続かなかった。宇宙の彼方で、地球の ...
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砂嵐の中で笑うサンドレア
荒野を熱い風が吹き抜ける。
赤茶けた大地は、宇宙船の着地によって大きくえぐれていた。砕けた岩が転がり、砂煙が空へ舞い上がる。その中心に、砂星ガルドーラの副官サンドレアが立っていた。
長い黒髪が砂の風に揺れる。
その周囲には、まるで生き物のように砂が渦を巻いていた。
悟空はゆっくりと拳を構えた。
「おめぇが、この連中の親玉か?」
サンドレアは静かに目を細める。
「いいえ。私はガルド砂皇軍、副官サンドレア。皇帝ガルドス様の命により、地球のドラゴンボールを回収しに来た者です」
「ドラゴンボールを何に使うつもりだ?」
「我らが星に封印されし古の破壊神、バルガルド様を復活させるため」
クリリンの表情がこわばった。
「破壊神だって……? おいおい、冗談じゃないぞ」
ヤムチャも構えを取る。
「名前からして、平和利用って感じじゃなさそうだな」
18号は腕を下ろしたまま、冷静にサンドレアを見ていた。
「悟空。あの女、かなり落ち着いてる。こっちの力を見ても、まるで驚いてない」
「ああ。油断すんなよ。こいつら、相当強ぇ」
サンドレアの背後で、結晶のような皮膚を持つ巨漢ザラメスが一歩前へ出た。
「ごちゃごちゃ話してねぇで、さっさと始めようぜ。地球人の骨がどれだけ硬いか、試してやる」
その横で、細身のラスカルが肩をすくめる。
「俺は楽な相手がいいなぁ。痛いの嫌いだし」
「なら、俺が相手してやるよ!」
ヤムチャが地を蹴った。
砂を巻き上げながら、ザラメスへ一直線に突っ込む。
「狼牙風風拳!」
拳と蹴りの連撃が、ザラメスの胸、腹、肩へ次々に叩き込まれる。だが、ザラメスは笑っていた。
「軽いなぁ!」
巨大な拳がヤムチャの腹を捉える。
「ぐはっ!」
ヤムチャの身体が吹き飛び、岩壁に激突した。
「ヤムチャ!」
クリリンが叫び、即座に手を額へかざす。
「太陽拳!」
強烈な光が荒野を包む。ザラメスとラスカルの視界が白く染まった。
「ちっ、目くらましか!」
その隙に、クリリンは片手を掲げる。
「気円斬!」
円盤状の気が砂煙を裂いて飛ぶ。ラスカルは顔を引きつらせ、ギリギリで身をひねった。気円斬は背後の岩山を真っ二つに切り裂く。
「うわ、あぶなっ……! 地球人のくせに、物騒な技使うじゃん」
ラスカルの姿が砂に溶けるように消えた。
「どこ行った!?」
クリリンが周囲を探る。
次の瞬間、背後から声がした。
「ここだよ」
ラスカルの爪がクリリンの背を狙う。だが、その一撃は18号の腕で止められた。
「卑怯な奴だね」
18号の蹴りがラスカルの脇腹を打つ。ラスカルは砂の上を転がりながら、にやりと笑った。
「へぇ。君、かわいい顔して強いんだ」
「減らず口を叩く余裕があるなら、まだ殴っても大丈夫そうだね」
一方、悟空はサンドレアと拳を交えていた。
悟空の拳は速い。
だが、サンドレアは砂を足場にし、空中で軌道を変えながらその攻撃をかわしていく。
「すげぇな。砂で動きを変えてんのか」
「気づくのが早いですね。ですが、気づいたからといって、止められるものではありません」
サンドレアの指先が光る。
「砂縛輪」
砂の輪が悟空の腕と足に絡みついた。
「なにっ!?」
一瞬だけ悟空の動きが鈍る。
その瞬間、サンドレアの膝が悟空の腹に突き刺さった。
「ぐっ!」
悟空は吹き飛ばされながらも、空中で体勢を整える。
「こりゃ、思ったより強ぇぞ……!」
サンドレアは、砂の渦の中で微笑んだ。
「思ったより、では困ります。こちらは、あなた方を倒しに来ているのです」
氷原に響くベジータの怒号
北の氷原では、空気そのものが凍りついていた。
白銀の大地に、ベジータ、トランクス、悟天が降り立つ。目の前には、氷星グラシアの副官フリーゼルが立っていた。
片目を覆う氷の仮面。
青白い鎧。
そして、冷たい刃のような気。
フリーゼルはベジータを見て、静かに口を開いた。
「あなたがサイヤ人の王子、ベジータですね」
「貴様に名を呼ばれる筋合いはない」
「噂に違わぬ気性の荒さです。ですが、力の扱いが美しくない」
ベジータの額に青筋が浮かぶ。
「美しいだと? 戦いにそんなものを持ち込むとは、ずいぶん余裕だな」
「余裕ではありません。事実です」
次の瞬間、ベジータが消えた。
「はあああっ!」
拳がフリーゼルの顔面を狙う。
しかし、フリーゼルは最小限の動きでそれを受け流した。
ベジータの連打が続く。
重く、鋭く、速い攻撃。
それでもフリーゼルは崩れない。足元に薄い氷の膜を作り、滑るように動いてベジータの攻撃を外していく。
「ちょこまかと!」
ベジータの蹴りが氷原を砕く。
フリーゼルは片手を掲げた。
「凍結反射壁」
氷の鏡が何枚も出現し、ベジータの気弾を受け止めた。反射した気弾が、逆にベジータへ向かって跳ね返る。
「くだらん!」
ベジータは腕で弾き飛ばしたが、頬に小さな傷が走った。
「父さん!」
トランクスが叫ぶ。
そこへ、氷上を滑るようにシャベットが迫った。
「よそ見してる場合?」
氷の円盤がトランクスに飛ぶ。
「うわっ!」
トランクスは小さな身体をひねってかわし、反撃の拳を繰り出した。
「子どもだからって、なめるな!」
「子どもだからこそ、動きが素直なんだよ」
シャベットはトランクスの拳をかわし、氷の足場を蹴って背後に回り込む。
一方、悟天はグラニタと向かい合っていた。
「でやああっ!」
悟天の蹴りがグラニタの腹に入る。
だが、グラニタは微動だにしない。
「軽い」
氷塊のような拳が悟天のガードを砕く。
「うぐっ!」
悟天が氷の上を滑って転がる。
「悟天!」
トランクスが叫ぶ。
その声を聞いたベジータの気が跳ね上がった。
「貴様ら……俺の前でガキどもを傷つけるとはな」
金色の光が氷原を照らす。
ベジータの髪が逆立ち、超サイヤ人の気が吹き上がった。
「覚悟はできているんだろうな」
フリーゼルは表情を変えない。
「その姿が、サイヤ人の変身ですか。熱量が増しましたね」
「ビッグ・バン・アタック!」
巨大な気弾が氷原を揺らしながら放たれる。
直撃すれば、氷の大地ごと吹き飛ぶ威力だった。
だが、フリーゼルは動かない。
再び氷の鏡が重なり、光の軌道をねじ曲げた。
ビッグ・バン・アタックはフリーゼルを避けるように逸れ、遠くの氷山を爆発させた。
ベジータの目が見開かれる。
「俺の攻撃を……そらしただと?」
「力任せでは、私には届きません」
フリーゼルの指先から、氷の刃が伸びる。
「氷牙閃」
青白い斬撃が走り、ベジータの頬を切り裂いた。
血が白い氷に落ちる。
ベジータは舌打ちし、しかし口元を歪めた。
「いいだろう。久しぶりに、少しは楽しめそうだ」

