カグラバチ 第1話 「すべきこと」ネタバレ感想!
週刊少年ジャンプ 2023年42号掲載!
カグラバチの第1話は、新連載とは思えない密度で物語を叩きつけてくる。
親子の静かな日常から始まり、刀鍛冶としての重い哲学が語られ、
後半では地獄のような惨劇へ一直線・・・!!
話が進むたびに、作品の空気が変わっていくのが肌でわかる。
刀鍛冶パートの空気がエグいほど“濃い”
第1話の入り、いきなり刀鍛冶の世界にぶち込まれるんだけど、
この冒頭、ちょっと新人の描き方じゃないよな……ってなる濃度。
火花がパチパチ散って、鉄が息してるみたいに熱を放ってて、
その前に立つ国重の背中がまぁ渋いこと渋いこと。
息子のチヒロも、ただの少年じゃない雰囲気まとってて、
“親父のそばで育ってきたんだな”って空気がビシビシ伝わってくる。
作業してるだけなのに、人生とか技とか想いとか、
いろんなもんがギュッと詰まってる感じがして、
ページめくる手が一気に止まらなくなるやつ。
六平国重の「刀は人を殺すための道具だけど、それだけじゃねぇ」って話、
あのくだりめちゃ好きなんだよな。
優しいんだけど重い。重いんだけど温かい。
“この親父ただ者じゃねぇ”って一瞬でわからせてくる。
で、この平和な雰囲気、温かい親子時間……
もう完全にフラグ立ってるよなって読む側は気づくんだけど、
それでも見たいんだよ、この幸せな時間を。
後半の地獄を知ってると、なおさら胸がキュッと痛くなるレベルで
大事に描かれた導入部分だった。
ポイント
父子の日常が優しすぎて逆に不穏なんだよ…
鍛冶場での濃密な職人シーンから一転、
チヒロと国重の日常パートがめっちゃ柔らかい空気なんだよな。
金魚の話題でわちゃわちゃしてたり、
柴さんがひょっこり来てメシ食って帰ったり、
“あぁこの家、ほんっとに穏やかだな〜・・・”って思わせる。
でさ、少年漫画読み慣れてると、こういう平和ってさ・・・
フラグにしか見えねぇ!
って心がザワつくわけよw
作者も読者心理をわかってて、ほのぼのをあえて丁寧に描いてくる感じ。
国重がチヒロの好きな金魚モチーフをからかったり、
照れながら笑ってるチヒロが本当に普通の少年で、
ここがもう“守られるべきものの象徴”になってるんだよな。
そして国重の周囲の人たちも優しい。
柴さんの「チヒロもすっかり大きくなったなぁ」みたいな空気感も好き。
この“世界はまだ平和なんだ”って感じを丁寧に積み上げてるのが、
後半の破壊力を10倍にしてくるんだよな・・・。
柔らかくて温かい日常が続くと、
“壊れる未来”が自然と頭をよぎるわけで。
ここまで大切に描かれた家族時間を、
この作品はわざわざ序盤で提示してくる。
つまり・・・この幸せは絶対に長く続かない。
読者はこの時点で覚悟を強いられてるんだよなぁ・・・。
ポイント
それにしても関西弁の柴さん・・・なんか裏切りそうで、すでに警戒ですわ。
国重の言葉が重すぎる…「刀は救いにもなる」って何だよもう
日常パートの優しい空気の中で、
ふっと国重が語り出す“刀の存在意義”がめちゃくちゃ刺さるんだよな。
この親父、ただの職人気質の頑固者じゃなくて、
武器を作る責任とか、人の心に届く言葉をちゃんと持ってるタイプ。
「刀は人を殺す道具であることに変わりはない」
この超シンプルで残酷な事実を、国重は真正面から受け止めてる。
でもそのあとに続く
「弱い人を救うためにも振るえる」
この一言で、一気に“刀=暴力”だけじゃねぇぞって世界の奥行きが広がるんだよ。
チヒロもさ、真面目にその言葉を受け止めて「覚悟はある」と返すんだけど、
あの顔がもう、子どもなりに父の背中を追ってきた証なんだよな。
国重の言葉って、ただの説教じゃなくて、
“息子に生き方を渡してる瞬間”って感じで胸にくる。
しかもこの会話、
後半の“チヒロが刀を抜く覚悟”への伏線になってるのが本当にうまい。
この物語は、刀を“かっこいい武器”として描くんじゃなくて、
“誰を守り、誰を斬るのか”って問いを常に背負わせるスタイル。
国重が何を思ってこの言葉を遺したのか、
38か月後のチヒロの姿を見ると、
あの会話がどれだけ物語の核になっているかがよくわかる。
この一話、マジで丁寧に伏線が仕込まれてて震える。
ポイント
刀を渡す相手の見極めも重要って事なんだろうね。悪人の手に渡れば、それによって善人が命を落とすかもしれない。
刀を握るべきなのは悪を滅し弱者を救う信念のある者であるべき・・・そして刀を打つ者も同じく信念と責任を持つべき・・・とな。
38か月後の“空気が違いすぎる世界”に一気に引きずり込まれる
日常の温かさで心をほぐしたところに、
突然ぶち込まれる「38か月後」のテロップ。
ここから一気に世界の色が変わるのがエグい。
まずチヒロの姿が全然違う。
少年のあどけなさが消えて、
目の奥に“何かを失った者の静かな狂気”が宿ってる。
街の雰囲気もヤバい。
ヤクザが幅利かせてて、裏で妖術が飛び交う世界に変貌。
もう、あの穏やかな山奥の鍛冶場とは別モンだよな。
この落差の付け方、マジで衝撃を叩き込む演出。
38か月ってさ、微妙に生々しい数字なんだよ。
3年と2か月。
人がまるっと変わるには十分な時間。
何があったのかはまだ語られないけど、
“あの家族の上にとんでもない地獄が落ちた”ことだけは伝わる。
そして何より象徴的なのが、
チヒロが刀を抜いた瞬間の“冷たさ”。
国重のもとで笑ってた少年とは別人みたいな、
研ぎ澄まされた殺意がスッと滲む。
この変化を読者に一発で理解させるために、
あえて過去パートをあれだけ丁寧に積み上げてたんだろうな。
物語はここで一気にギアチェンジする。
“家族の物語”だったはずが、
“復讐者の物語”へ切り替わる瞬間。
この構成のうまさ、震えるほど好きだわ。
ポイント
にしても、組のバックについてるという”妖術師”・・・木の能力・・・
色んな能力者が出てきそうだなぁ。
チヒロの殺陣がヤバすぎる…新人離れした迫力に度肝を抜かれた
38か月後の世界に放り込まれてすぐ、
チヒロがとんでもない戦闘能力を見せつけるんだけど、
このアクション描写がマジで新人のレベルじゃない。
斬撃の軌跡、間合いの取り方、溜めと解放のバランス、
全部“実写のカメラマンが横にいるだろ”ってくらい生々しい。
特にチヒロが複数の敵を一瞬で仕留めるシーン。
斬った後の静まり返り方や、敵が倒れるタイミングの“間”が絶妙なんだよ。
ただ無双するんじゃなく、
「殺す覚悟を持った人間の動き」って感じの重みがある。
血しぶきや肉体のダメージ描写も、
グロに寄りすぎず、それでいてしっかり“刃の痛み”を伝える演出。
これが作品の世界観のリアリティを底上げしてる。
しかもチヒロの表情が終始冷静なんだよな。
怒りに任せて暴れてるわけじゃない。
むしろ淡々と“必要だから斬る”という姿勢が見える。
これ、過去に何があったのか想像するだけで胸が重くなるやつ。
相手側の人間も、ただの雑魚じゃない雰囲気を持ってて、
裏社会の“生臭さ”が強烈に漂ってくる。
そこにチヒロが迷いなく踏み込んでいく姿が、
もはや“剣士”じゃなくて“処刑人”なんだよな……。
第1話からここまで完成されたアクションを見せる作品、
なかなかない。
一気に「これは本物が来た」と確信させられるパートだった。
ポイント
こいつぁ成敗しなきゃなぁ・・・!!
妖刀の存在が物語を一気に“異世界の深層”へ引っ張り込む
中盤でさりげなく語られる“妖法”“妖術”“特別な刀の加工法”って単語が、
物語の空気を一気に変えるんだよな。
ただの裏社会 × 刀アクションじゃなくて、
“呪術的な力を封じた刀”という独自設定が入った瞬間、
カグラバチがジャンプの中で一気に異彩を放つ存在になる。
特にチヒロの妖刀が発動するシーンは鳥肌モノ。
抜刀の瞬間、黒い水のようなエネルギーがうねって、
金魚の影がふわっと現れるあの演出・・・
あれ、新連載1話で出していいクオリティじゃないだろ。
妖刀の能力が“水”なのに、
その水の質感がめちゃくちゃ凶悪ってのがまたいい。
普通、水属性って爽やか系とか支援系のイメージじゃん?
でもチヒロの刀は、
“生き物のように蠢く闇の水”って感じで、
むしろ恐怖と静かな破壊力を象徴してる。
さらに面白いのが、
この妖刀が父・国重の手によって作られた“特別な刀”だという点。
チヒロが今、自分の復讐のために振るっている力は、
亡き父が遺した技術そのものなんだよな。
刀を受け継ぐという行為が、
ただの武器の継承じゃなく、
“父の生き方の継承”になっているのがエモすぎる。
妖刀の存在が明かされた瞬間、
物語はただの復讐劇じゃなく、
“呪いと技術が絡み合う巨大な世界”へ踏み込んだ。
この第1話の段階で、作品全体の深みをガツンと提示してくるの、本当に強い。
ポイント
二本の刀を所持してるところ見ると、二刀流なのかねぇ。それとも能力の違う刀を二本所持してる感じか。
金魚の力を宿した、六平国重が最後に作った刀『淵天』・・・
一対多を想定しての飛ぶ斬撃『涅』や、その能力は明らかになってない『錦』。
雑魚ヤクザたちじゃ相手にならないわね・・・
チヒロの“百人斬りモード”が完全に覚醒してて震えた
妖刀が発動したあとのチヒロ、もう別格だったな。
それまでの静かで冷静な殺陣とは違って、
ここから一気に“戦場の死神”みたいな挙動を見せ始める。
とにかく無駄がない。雑音がない。
ただ必要だから斬る、邪魔だから潰す、
そういう研ぎ澄まされた意志だけで動いてる感覚がすごい。
敵の数がどれだけいても引かない姿勢がまたヤバい。
普通ならビビるだろって状況でも、
チヒロは一歩も止まらずに前へ出る。
この“止まらない”ってところに、
彼の中にある復讐の業の深さが滲み出てるんだよな。
技の見せ方も神がかってる。
斬撃と一緒に黒い水がぶわっと広がって、
金魚の幻影が泳ぐように敵を飲み込んでいく演出。
あれはただの派手なエフェクトじゃなく、
“父の魂を継いだ力がチヒロと共にある”って象徴なんだよな。
そして何より印象に残るのは、
チヒロがこの強さに酔ってないところ。
復讐の炎は燃え続けてるけど、
快楽や狂気に振り切れず、ただ“斬るべき相手を斬る”という静かな決意で立ってる。
周囲がどれだけ騒がしくても、
チヒロだけが冷たい水の底にいるような佇まいでさ、
その異質さが彼の存在感をさらに際立たせてる。
第1話でここまでキャラの“芯”を描き切るの、本当にすごい。
ポイント
ヤクザのボスが”バケモノ”と恐れる連中だけど、チヒロには相手がバケモノだろうが関係ないって感じね。
最終ページの“覚悟の顔”が胸に刺さりすぎる
第1話のラスト、チヒロが血まみれになりながら立ち尽くすシーン、あれが本当に強烈だった。
敵を圧倒しても勝利の誇りも安堵もない。ただ、重い現実を背負ったまま呼吸してる青年の姿だけが残る。
「俺は奴らを斬らなきゃならない」
この一言に、38か月の間にチヒロが何を失い、何を守れなかったのか、その全部が詰まってるんだよな。
しかもその表情がまたすごい。
泣き崩れるわけでもなく、怒り狂うわけでもなく、
淡々としてるのに奥で燃えてる。
“復讐”って言葉だけじゃ収まらない、もっと深い感情が渦巻いてる。
その静かな“狂気”みたいなものが、一話の締めとして完璧すぎる。
そして忘れちゃいけないのが、
この言葉は父・国重の教えの裏返しでもあるってこと。
刀は人を救うためにも振るえる。
でもチヒロは、まず“斬らなきゃならない相手”を前にしている。
父の残した技術と想いを抱えたまま、
自分だけの道を歩き始める瞬間なんだよ。
ジャンプの新連載って、最後の1ページで「次も読むか」が決まるんだけど、
カグラバチの第1話は“読むしかない”って感情を強制してくる力があった。
これがただの復讐劇じゃない予感がビンビンするし、
物語の核がここからさらに広がっていく未来しか見えない。
ポイント
その詳細が後々語られていくことになるんでしょうが、物凄い1話だったな・・・
次回に続く・・・!!
まとめ:第1話にして“物語の骨格”が全部提示されてる怪物的完成度
カグラバチ第1話、「”すべきこと”」。
読み終えたあと、ただの新連載じゃないって確信が残る回だった。
・温かい父子の日常で心を掴み
・刀鍛冶という職そのものの哲学を描き
・38か月後という衝撃の時間跳躍で一気に地獄へ落とし
・妖刀という独自設定で世界観を深くし
・主人公チヒロの覚悟と喪失を鮮烈に刻む
この第1話だけで作品の“核”が出揃っている。
同時に、まだ語られていない謎や背景が膨大に残されていて、
読者を次のページへ引っ張る吸引力がえげつない。
父の技と想いを受け継いだ少年が、
闇と妖術に満ちた世界で自分の道を切り拓く物語。
その始まりとして、これ以上の1話はなかなかない。
・・・カグラバチ、マジでとんでもない作品が始まったな(゚∀゚)
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◇次回

