範馬刃牙VSリュウ 求道者と地上最強の息子の激突ッ!!
世界を巡る最強の旅人リュウは、ある噂を耳にします。それは「日本に、地上最強の生物の息子がいる」という話です。名声のためではなく、ただ強さの真理を求めるリュウにとって、それは聞き流すには強烈すぎる誘惑だった。
一方、刃牙にとっても世界は広い。父を超えるため、その標準は常に極限へ。そんなとき、徳川光成が興奮した声で告げた。
「面白い客人が来おったぞッ!!白い道着に、真っ赤なバンダナの求道者じゃッ!!」
武術の極意を求め歩いてきた者と、喧嘩の強さと生物としての頂点を目指す者。二人の強者は、神奈川の地下闘技場にて静かに対峙する。
刃牙は柔らかく笑い、「強くなるために戦い続ける…俺と同じだね。リュウ」と呟く。
リュウは静かに拳を握り、「互いの拳で語り合おう…ッ!!」
理想のための拳と、生存を賭けた拳。異なる哲学が、ひとつの闘いへと集約される時が来た。
求め合う拳、交錯する闘気ッ!!

ゴングはいらない。二人は一歩踏み出した瞬間に、戦闘に入っていた。
刃牙が低く身を沈めると、筋肉が液状に変化。「ゴキブリダッシュ」だッ!!空気を裂く連続ステップで、リュウの死角へ滑り込む。
「シッ!!」
刃牙の拳がリュウの肋へ食い込むッ!!しかしリュウは微動だにせず、呼吸のみで衝撃を逃がす。
「……見せてもらったぞ。気の流れを読む動きだな」
すかさずリュウが右掌を突き出す。
「波動拳ッッ!!」
青白い気弾が轟音とともに刃牙を襲う。刃牙は空中で体を捻り回避するものの、爆風が肌を切り裂くようだ。
「へえ…物理攻撃じゃない。気そのものが武器…面白いッ!!」
間合いを詰めた刃牙が「剛体術」の構えで拳を硬化。
「ウラァッッ!!」
鉄球の如き拳がリュウの顎を狙う。しかしリュウは跳躍しながら拳を突き上げる。
「昇龍拳ッッッ!!」
衝撃が交錯し、二人の体が弾けるように離れる。刃牙の頬が切れ、リュウの腕が痺れを訴える。
「ハァッ!!まだまだ…ッ!!」
「俺もだ…ッッ!!」
刃牙は前傾姿勢。拳をブルドーザーのように構える「トリケラトプス拳」ッ!!
足裏が闘技場を削る勢いで突進する。
リュウは回し蹴りで迎撃。
「竜巻旋風脚ッ!!」
「キャオラッ!!」
衝撃が波のように地下闘技場に響き渡る。刃牙はバウンドしながらも笑う。
「すげェな…リュウッ!!アンタ、本気で強いッッ!!」
リュウもまた、笑みを零す。
「君こそ…俺の求める拳を持っている…ッ!!」
観客席の徳川光成が興奮しすぎてのけ反る。
「な…なんじゃコレはッ!!神域の闘いじゃァァッ!!」
両者の闘気が、さらに膨張していく。
「ハッ!!」
「セイッ!!」
どちらも一歩も引かない。求め合う拳が、ただ美しく激突し続けていくッ。
刃牙の足がさらに沈む。身体能力が跳ね上がる予兆。
「行くよ…次はもっと深く…ッ!!」
リュウの瞳にも、闇が微かに揺らぎ始める。己の内なる力「殺意の波動」ッ!!
「俺もだ…刃牙…ッ!!」
二人は、まだ上を求めている。頂のその先へ!!
ここから先、闘いは一層苛烈な領域へと突入する!!
