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今回の話は、とあるOLが同僚と旅行に出かけ、そこで怪異に巻き込まれるお話。
闇芝居の中でも今回の話はかなり怖い部類だろう((((;゜Д゜)))
二人は特に予定も立てず、気の向くままに色々と立ち寄り、旅行を楽しんでいた。
そんな中、立ち寄った洞窟・・・
地元の人間も滅多に近寄らない場所らしく、そこには珍しいお地蔵様が並んでいた。
とても印象深いお地蔵様だな・・・
その夜・・・
ホテルに帰り、すぐにウトウトしてしまったOLは突然の歯の痛みに襲われる事になる。
「大丈夫?美和子歯ぎしり凄かったよ?」
「歯ぎしり?」
痛み止めを飲んでも一向に治まらない歯痛に我慢できず、地元の歯医者を探すことにした美和子さん。
何とか一件だけ開いている歯医者を見つけた彼女は、その歯医者に向かう事にした。
・・・・・
・・・
しかし、到着した歯医者はお世辞にも綺麗とは言えない古びた歯医者。
これでは設備にも期待は出来ない・・・もしかしたら、治療にも痛みを感じるかもしれない・・・
そんな事もよぎりながらも、耐えがたい痛みには勝てず、結局その歯医者に飛び込んでしまう。
薄暗い診察室に通された美和子さん。
明らかに普通の雰囲気ではない・・・
年老いた女性の歯科医は、美和子さんの口の中を確認・・・
マジマジと見つめる歯科医の表情は、美和子さんの不安をかき立てるには十分すぎるものだった・・・。
「そんなに・・・悪いんですか?」
すると歯科医は席を立ち、奥で歯科助手たちと、何やらブツブツと相談を始めた。
「絶対に逃がしちゃだめよ・・・」
「・・・・仕方ないわ」
そして、歯科医の出した結論は・・・
「抜きましょう」
「え!?抜く!?」
驚く美和子さん。
まさかの”抜く”という結論に、まるで納得がいかない。
「ちょ・・・!やだ・・・!!」
助手は嫌がる美和子さんの体を押さえつけ、無理矢理治療にあたらせる。
「やだ!!やめて・・・」
問答無用に押し込まれるペンチ。
程なくして焼けるような痛みが走る!
強引に引き抜こうと言うのか・・・麻酔もなしに・・・
美和子さんは激痛に耐えかね、死にもの狂いで助手を跳ね飛ばし、歯医者を飛び出した。
追いかけてくる歯科医!
「そのまま帰ったら・・・!!」
美和子さんは歯科医が言い終わる前にタクシーに乗り込み、その場から立ち去った。
ホテルに戻ってきた美和子さんは、鏡で抜かれそうになった奥歯を確認する。
指を突っ込み、歯に触れていると・・・
バキッ!!
「いたっ!!」
カラコロ・・・
奥歯は抜け落ち、床に転げ落ちたようだ・・・
「え・・・」
抜けた歯は、苦悶の表情を浮かべているように見えた。
ふと歯科医の言葉が脳裏をよぎる。
『そのまま帰ったら・・・』
その後に続く言葉は・・・
確か・・・そう・・・
『むかえにくる・・・』
そう言っていた気がした。
ふと抜け落ちた不気味な歯に視線を戻す彼女。
すると、さっきまであった歯は忽然と消えていた。
そして、血の跡だけが同僚の寝ている寝室へと続いているではないか・・・
点々と続く血の跡を辿り、同僚の部屋へ近づく彼女・・・
すると・・・『ギギギッ・・・』と聞きなれない、きしむような音が聞こえてきた。
音に導かれるように同僚の部屋に入る美和子さん・・・
血の跡は彼女の枕元まで続いてた・・・
激しい音の正体は彼女の歯ぎしりのようだが・・・
まさか・・・美和子さんの歯が、彼女の歯にねじ込まれている音なのか・・・?
歯科医の言っていた『むかえにくる』という言葉・・・
もしや歯に宿る悪霊の類・・・?
それが新たな宿主を見つけ同僚の口の中に・・・?
ヒェ・・・!!
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