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今回の話は4人の若者が夜行バスを利用した時の話。
その中の一人が、走行中に腹痛に襲われた。
洩らす訳にもいかないので青年は運転手にお願いして次のサービスエリアに寄ってもらうことに。
この事を茶化す友人達。
その後、バスは無事サービスエリアに到着し、青年も何とか漏らす事無く済んだ。
トイレから戻ってみると、似たようなバスがズラリと並んでいる事に気づく。
自分の乗っていたバスがどれだか解らなくなってしまった青年。
これ以上他の乗客に迷惑をかけてはマズイと、急いで探し回る。
その結果、なんとかバスを見つけ、乗り込む青年・・・
しかし、ここで違和感に気づく。
トイレに行った時に、あれだけ茶化してきた友人等が、一切いじってこない。
それどころか、どこか暗い表情を浮かばせている。
とりあえず自分の席に戻る青年。
車内は重苦しい雰囲気が漂っていた。
さっきまで眠っていた乗客全てが、なぜか起きている・・・
この雰囲気といい・・・
自分がいない間に車内で何かあったのか?
明らかにヤバイ雰囲気の中、青年は怒らせてしまったのか?と考えていた。
トイレに行っていた時間がどの程度かは解らないけど、ありえないハナシではない。
しかし、友人たちまで黙ってるのはどういうことだ?
そんな時だった。
友人からメールが届いた。
青年のふたつ後ろの席に座る友人・雄一からだった。
『何やってんだ?』
メールにはそう書かれていた。
青年は彼が直接言って来ないことから、自分のいない間に何かがあったのかと思い、
『何かあったのか?』と返信した。
すると再び友人から返事が返ってきた。
『何言ってんだ?ふざけてる場合か!』
かなり怒っている様子が伺える。
会話がかみ合わない中、今度は青年に電話がかかってきた。
通路を挟んで右隣の友人・紗栄子からだ。
だが、視線を横に向けると、紗栄子は電話をかけているような素振りは見られない。
おかしいなと思いつつも電話に出てみる。
『もしもし?どこにいるの?みんな待ってるよ?』
彼女は、確かにそういった。
何処にいるの?・・・ってどういう意味だ・・・?
青年は再び視線を紗栄子に向ける。
すると、先ほどまで前を向いていた彼女が、こちらをジッと睨みつけているではないか。
電話口からは相変わらず紗栄子や雄一の声が聞こえている。
徐々に事態を飲み込み始めた青年は恐怖で息が荒くなっていく・・・!!
そして気づけば、彼女同様に、全ての乗客が青年を見つめていることに気づいた・・・
その後、彼がどうなったのかは・・・知る由もない・・・
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