■ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない
第34話「7月15日(木) その4」
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7月15日(木) 18時04分・・・
吉良吉影はついに我慢の限界を越えたのか動いた。
帰宅途中の電車内で起きた、些細な揉め事がきっかけだったが、今の吉良を動かすには十分事足りるほどの出来事だったようだな。
「おい!!なんだてめぇは!人の部屋に勝手に入って来てんじゃぁ・・・」
メキョッ!!
1カメ
2カメ
3カメ
リア充爆発したああああ!!
正直スッとしたね。
あぁいうDQNはもっと消されるべきだと思うわ。
「あ・・・あ・・・ああ・・・・」
恐怖で言葉が出ない女。
この女の末路も言うまでもないだろう。
「ふむ・・・1ルームマンションか。
私は吉良吉影。君の名を聞かせてもらえないか?」
「あう・・・あう・・・・」
「爪・・・伸びているだろ?」
「ヒェ・・・!!」
「こんなに伸びている・・・自分の爪が伸びるのを止められる人間がいるだろうか?
いない。誰も爪が伸びるのを止めることが出来ないように、
持って生まれた性(さが)というものは誰も抑える事が出来ない。
君の名前はと聞いたんだがね?」
「彼・・・アタシの彼を一体・・・」
「質問を質問で返すなぁ!!」
「疑問文には疑問文で答えろと学校で教えているのか!?
私が名前はと聞いているんだ!!」
「ひいいいいいい!!み、みなこ・・・み、み、みなこぉーーーー!!」
「みなこ・・・ふぅむ。美しい名をつけてもらってるじゃぁないか。気に入ったよ。
みなこさん・・・ひとつちょっとお願いがあるんだ」
「これを握ってもらえると嬉しいんだが」
そう言って彼女がバカにしたボーリングの爪きりを取り出した。
「このダサい爪きりで私の伸びた爪を切って欲しいんだ。
他人の爪を切ったことはない?
なんでも経験だよ?深爪しないよう気をつけて」
そう言って手を差し出す吉良。
彼女は怯えながらも震えた手で、爪を切ろうとする。
「助けてぇ・・・お願い!!助けてぇ・・・許してぇ・・・」
「許す・・・?ちょっと待ってくれ。
私は別に怒っているわけではないよ?趣味なんだ。
君を選んだのも趣味だし、持って生まれた趣味なんで
前向きに行動してるだけなんだよ。前向きにね?
彼氏にイヤリングをせがんでいたねぇ・・・」
「彼が残していってくれたようだ。
プレゼントだよ」
「いやああああああああああああああああ!!!」
「爪きり上手じゃぁないか。それも気に入ったよ」
ビクンッ
あーあ・・・
「そして喋らない君は実に可愛いよぉ?
どうしたものかなぁ、みなこさん。君を家に連れて帰りたいが
川尻の家に入れるのはマズイ・・・か。
しかし清々しい・・・なんて清々しい気分なんだ」
撮られているとも知らずに・・・
早人は一部始終を目撃していた。
どうやら吉良があのカップルを尾行していたのを更に尾行していたようだ(((( ;゚д゚)))
吉良もまさか尾行されているなんて思わなかったようだな・・・
吉良は視線に気づいたのか、玄関のドアノブに視線をずらす。
しかしドアは閉まっていた。
「・・・」
吉良はそっとドアをあけ外に。
マンションから走って出て行く早人を吉良は目撃してしまう!!
ん?・・・あいつは早人だ・・・。
何してるんだこんなところで・・・
川尻家や学校からは反対の方向なのに・・・
ん?なんだ!?
・・・鍵は閉めていなかった・・・早人・・・あいつ!
吉良は、みなこの手を消し去った・・・
「まさかな・・・」
・・・・
・・・
「はぁ!!はぁ!!はぁ・・・!!」
人間じゃない・・・!!
パパに化けてるあいつは!!なんなんだ!!
あ・・・!承太郎とすれ違った!!
どうやら承太郎は行方不明者リストの足取りを追って、さっきのマッチョメンのマンションに辿り着いたようだ。
これもスタンド使いは引き合うという性質からきた偶然なのだろうか?
部屋の鍵はあいていた・・・
争った形跡はないが・・・床に落ちていた不自然な血痕。
しかも乾いていない・・・
「帰ってきた形跡はあり、床の端に血痕・・・か。
いよいよ動いたか・・・」
承太郎はそのまま家を後にした・・・
7月15日(木) 20時36分・・・
早人の奴が持っていたのは間違いなくハンディカメラだった・・・!
今この部屋にはないようだが・・・
早人の奴・・・この間から挙動がおかしい・・・。
早人が何をしていたのか・・・確かめなくては・・・!
確信を得なければ・・・!!
「お、落ち着け・・・落ち着いて考えを整理するんだ。
まずはこのビデオテープだ・・・」
誰かに見せるべきだろうか?
ママはだめだ!ママはあいつを信じきっている!
警察に見せるべきか?
人間が吹っ飛んで消滅した・・・なんて信じるかな・・・
それよりも、あいつは人間じゃぁない!!
あんな奴を警察が捕まえられるんだろうか?
いや・・・!あいつを捕まえられる者なんてこの世に存在するんだろうか!?
どうする・・・
そのうちきっと僕とママは、ころされる!!
どうすりゃぁいいんだ!!
ギィィィ・・・
その時、ゆっくり風呂場のドアが開いた!
思わず視線をそちらに移す早人!
うほ^q^イイ男!
筋肉モリモリマッチョマンの変態じゃぁないか!!
「ヒィッ!!」
「おふろ・・・一緒にはいっても・・・いいかなぁ?早人・・・」
めっちゃねっとり言いやがったww
なんてえげつない身体してんだ(((( ;゚д゚)))
「パパと・・・久し振りに・・・」
吉良の影がキラークイーンになってる!爆弾かまえてるじゃぁないか!!
さすがにコレはやば過ぎる状況だろw
桶の中にはビデオテープがあるしw
「僕もうあがるから!!」
「いいじゃぁないか!親子・・・なんだから・・・」
男だが、さすがに全裸はアウト臭くなりそうだからな・・・
なにしにきたんだ・・・!?
このテープ・・・見つかったらやばい!!
「すまないが早人・・・桶から手を放してくれないか?」
「えっ!!?」
「湯をくんで身体を洗いたいんだ」
くっそwwww
モザイクかけても余計にいやらしくみえるだかじゃぁないか!!
「ぼ、僕がパパの背中流してあげるよ!」
「ん~?それはいい考えだな」
桶を確保し、ホッとする早人。
なんて緊張感のある風呂なんだ・・・!!
「でも・・・まずお前の背中からだよ?」
「ヒッ!!?」
完全に丸見えじゃぁないか!!
これ腐女子的に、たまらねぇシーンなのかねぇ。
モホにとっちゃ御褒美かもだが・・・
「先に入ってたのはお前なんだからねぇ・・・
流してあげるよ・・・かわりばんこだ・・・」
早人は隙を見て桶の中のビデオテープを抜き取った!
「さ・・・座って」
緊張感はんぱねぇ風呂シーンだな(((( ;゚д゚)))
早人、めっちゃ怯えながら背中洗ってもらってる。
「ん?どうしたぁ?ズイブン沢山汗をかいているじゃぁないか。のぼせたのかい?」
「う、うん・・・」
「じゃあ震えているのは、なぜだ?」
「ヒィッ!!」
「のぼせているのに震えているのはおかしいんじゃぁないか?」
「・・・・・!!」
吉良の手が早人の胸にぃぃ!!そこには隠したビデオテープが!!
「くすぐったいんだよパパ!僕がくすぐったがり屋なの昔から知ってるでしょ?」
「!・・・そうだったなぁ・・・くすぐったがり屋だったな早人は・・・」
「前は自分で洗うから・・・」
「そうか自分で洗うか・・・」
「ところで・・・今、思い出したんだが・・・
今日の夕方、仕事の用事で家と逆方向の定禅寺のほうに行ったんだが、
お前を見かけたよ」
「ヒッ!!」
「ビデオカメラを持って!!」
「何をしていたんだね!!」
おまえが何をしてるんだよww
「うあああああああああああああ!!」
確信したぞ!!この小僧・・・!!
やはり見ていたな!!
なんてことだ・・・せっかく平穏にこの家に馴染むと思ってたのに!
今年は酷い目にばかりあう!!
なんて年だ!!
この小僧をころすのは目立って非常にまずいことだが、
しかし・・・・あれを見られた以上やらざるを得ない!!
今小僧の髪の毛を一本爆弾に変えた・・・!
これで、こいつの頭をちょいと爆破すれば風呂で滑って頭をぶつけたかにみえる。
世間ではよくある事故だ。
しんでもらう!!しね!!小僧!!
「まさか僕もころすのかい?」
「!!?」
「ビデオで撮っているのに・・・!今だって撮っているのに!!」
「なに!!?」
早人は隙を見て吉良の手を振りほどいた!
「ずっとお前を疑っていた!靴のサイズも、サインの練習をしているところも撮ったよ!テープは他にもある!屋根裏部屋の猫のような草も撮ったよ!」
「なっ・・・!!」
「テープは僕しか知らないところにある!
でも、僕になにかあったら誰かがあそこを見つけるだろうね!」
「なん・・・だと・・・!?」
「僕に手を出すな!!いいな!!」
「小僧・・・!!貴様・・・私を脅すのか!?」
「ママにも手を出させない!!」
「く・・・く!!」
次回に続く!!
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