■ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない
第34話「7月15日(木) その4」
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7月15日(木) 16時43分・・・
「開いてるよ。入ってくれ」
どうやら康一は露伴に呼び出しを受けて訪ねてきたようだ。
露伴は玄関の隅っこに背を隠したままうずくまっているw
「露伴先生!?どうしたんですか!?電話じゃ何の説明もしてくれませんでしたけど」
「君の助けが欲しいんだ。敵スタンドに攻撃されている!」
スタンドと聞いて驚く康一は辺りを見渡す。
露伴は自身の背中に敵スタンドがとりついていると説明し、立ち上がった。
「背中・・・?背中を攻撃されてるんですか?」
「そうだ。かなりヤバイスタンドなんだ!どうしていいかわからん!」
「見せてもらえませんか?」
「ダメだ!!」
康一はこの露伴の反応に、若干怪訝な表情を浮かべる。
見せてもらわないことには対処のしようがない。
「背中を見せると僕をころして、君の背中に乗り移る!!」
『早く焼いてっ!ねっ!』
「ほら喋ってるぞ!コイツだよ康一君!!」
「え?」
康一が覗き込もうとすると、そうはさせまいと移動する露伴。
「なぜ隠すんです!!?」
康一は露伴が自分をからかうために呼んだのでは?と思い始めた。
「何を言ってるんだ!だから背中を見せたらしぬんだよ!僕は!」
「でも、先生はいつだって僕をからかうじゃぁないですか・・・」
「うっ!!」
「やっぱりそうなんですね・・・?」
「違うんだ!!今はマジなんだ!!2階に死体があるんだ!!」
「え!?死体!?」
・・・・・
・・・
「えっ・・・・と・・・何してるんですか?先生・・・」
「僕をまたいで先に行ってくれ。どうぞどうぞ先に行ってくれ。さぁ!!」
康一は露伴をまたいで先に2階へ・・・
そして角を曲がった先には・・・
「どうだい?信じてくれたかい?」
!!?
死体がない!!なくなっている!!
「いない!?そんなはずは・・・
!・・・ここだよ康一君!!」
穴の中に乙雅三の干からび、小さくなった姿を発見した露伴!
「見ろ!!康一君!こいつが乙雅三なんだ!!生気を吸いとられて干からびたんだ!!」
「へーすごいなーよく作りましたねー」
「なっ!!?」
「でも今はふざけてる時じゃぁないんですよ?先生!
写真の親父が作ったスタンド使いがホントに僕達を狙ってるんですよ!
だから先生にも何かあったんじゃぁないかと思って急いできたのに」
「なんだって!?じゃあこいつも・・・」
『ニヒ・・・』
「とにかく気を付けて下さいねー」
「な・・・」
康一はそう言って階段を下りていってしまった。
「じゃ!」
「待ってくれ康一君!!クソッタレ仗助とか億泰じゃ、絶対僕を馬鹿にして信じないだろうから君を呼んだんだぁ!!信じてくれぇ!!友達だろぉ!!」
この目wwwゴミ屑でも見るような目じゃないか康一君!!
「康一くぅうううううううううん!!!」
露伴のひっしの叫びも虚しく、康一は帰ってしまった。
『落ち込まないで?ねっ?
こういうのってガックリくるけどさぁぁぁ!!』
「この岸辺露伴・・・!!こんな屈辱は初めてだ・・・!!貴様ぁ!!覚えてろよ!!」
・・・・・
・・・
7月15日(木) 17時25分・・・
吉良吉影は電車の中にいた。
仕事終わりで帰宅途中だろうか。
彼は最近、爪の伸びが異常に早くなっている事に気づいていた。
もうずっと我慢しているのだろう。
うずいてうずいて仕方ないといったところか・・・
だが川尻浩作の生活に完全に溶け込むまでは静かに過ごさねば、勘のいい承太郎たちに動きを掴まれかねない。
そんな中、吉良の正面にバカップルが現れた。
なんじゃこのマッチョ(((( ;゚д゚)))
そして女もクソ〇ッチみたいな女だなぁ・・・
そんなクソ女がバッグを吉良の足に乗せやがった(((( ;゚д゚)))
睨む吉良吉影。
この女、万引きした事を堂々自慢げに話している。
家出同然にこのマッチョメンのところに転がり込んできたのか・・・
吉良は手でバッグを払いのけた。
「ちょっとぉ!何、人の鞄さわってんのよ!」
おいwwそれ以上刺激すんなって・・・(((( ;゚д゚)))
「どしたぁ?」
「大丈夫。なんともないわ」
「スリか?痴漢かぁ?すっとぼけてやがる」
バキバキと音を立てて爪が伸びていくwwやべぇww
杜王駅について降りるバカップルと吉良。
見事にぶつかってしまった!!
吉良は鞄を落とし、中身をぶちまけてしまった。
「いってぇ・・・なぁ!!なんだよ!!トロトロ電車おりてんなよなぁ!!」
「ねぇねぇみたぁ?ボーリングの爪きり持ってたよ?今時ボーリングの爪きりだってwwwwwチョーださー!」
吉良の爪はバキバキと音を立て更に伸びるのだった。
7月15日(木) 17時07分・・・
岸辺露伴は家を出た。
誰にも背中を見られないよう、十分に警戒しつつ・・・
『写真持ってるの?ねっ!写真持ってどこいくの?』
「杜王グランドホテル・・・あそこに行くしかない」
『承太郎のとこ?どこにいこうとムダだよwねっ?
もう諦めて写真焼こっ』
露伴はチープ・トリックの言葉を無視して、背中を隠しながら承太郎のいる杜王グランドホテルを目指す。
『よくやるなぁ。何処の窓から誰が見てるかもわからないのに!あぶないよぉ~?』
『ほぉらねぇ?道路というのは必ず交差点というところがあるんだよ!ねっ?
わたれっこないんだ。必ず背中を見られる・・・
どんどん道幅は広くなるし、人も多くなる・・・』
『いくのやめよぉよぉ~!!ねっ?あんたに渡れっこないんだよぉ!』
ほんとこの声優さん、このキャラクターの為に生まれてきたかのような・・・
これ以外の声はないってほどにマッチしてるなwwうますぎだろww
「そう思うか?乙雅三は僕の家まで来た。彼だって交差点を渡ってきたはずだ。
どうやって渡ってきたのか。それを考えればいいんだろ?」
「それは!これだ!!」
これだ!!じゃねぇよwww
くそわろたww
ちょっとこっぱずかしいがこれなら駅までいけるぞ!!
メッチャ見られてるしww
てかwwそんなグリグリ背中押し当てられて、この男は何も気づかないのかww
『あぁ行けるね岸辺露伴。しかし忘れているぞ?
乙雅三が渡っている時は僕が邪魔しなかったことをなぁあああ!!』
『おい!そこのバカ!!なにボケッと歩いてんだよぉ!!』
「!」
「なんだとコラァ!!」
『ニッ・・・!?おい、振り向けよぉぉ!!』
「なんだとぉ!!?」
男は振り向かないぞ?
「忘れているのはお前のほうだぜ。チープ・トリック。
乙雅三にはいなかった・・・ヘブンズドアーはいなかった!!」
なるほど。ヘブンズ・ドアーですでに男に攻撃していたか。
ホント便利なスタンドだよなw
これで問題なく渡りきれそうだ。
「覚悟しとけよ貴様ァ!!」
「な、なんだとぉ!!?」
『絶対にいけっこないね!ポコ〇ンまで干からびさせてしぬのはお前だぁ!!』
「せいぜいほざくんだな。お前の能力はしゃべるだけ。それは封じられたんだ」
これ露伴はチープ・トリックに話しかけてっけど、聞こえてる男にしてみれば、自分に言われてると思ってるよなww
お前の能力はしゃべるだけって相当酷い悪口だぞwww
「だ、だ、誰に向かって言ってんだコラァァッ!!」
ようやく男がふり返った時には、露伴は交差点を渡り終え、姿はすでになかった。
7月15日(木) 17時32分・・・
露伴は塀に背中をつけたまま歩を進めていた。
どうやらこの先はデカイ交差点はないようだが・・・
「ん?」
嫌な予感しかしねぇww
犬がこっちをみている。
『ねぇ。アンタのヘブンズ・ドアーって、動物に対しても能力を発揮できるの?』
「ああ。知能がある動物ならな」
『じゃあ動物に背中を見られたら、僕も動物の背中に乗り移れるってわけか!
人間よりカンタンにねっ!』
「!・・・確かにこいつらにも気をつけなくっちゃぁなぁ!
猫って嫌いだよな。ガン飛ばすからなぁ・・・おい!そこどけぇ!!」
露伴が猫に手を伸ばし、追い払おうとした、その瞬間!
露伴は何かに気づき、手を止めた。
猫の恩返しかな^q^
猫多すぎw
てか、犬もめっちゃきてんじゃん!!
なんかみんな露伴を睨んでる・・・
「何ぃ!!まさか・・・」
『こいつらの誰かがお前の背中をチラッとでも見ればいいんだねぇ?
僕の能力はね?しゃべるだけ!でも、ねっ?
僕だって会話できるのは人間だけじゃぁないんだぜ?』
『僕がこいつらを呼び寄せたんだぁ!!
お前を憎んでるぜぇ!おまえが猫と犬をころすのが好きな奴だと今教えたからなぁ!!かかれぇ!!』
露伴に襲い掛かってくる猫と犬の大群!!
「ヘブンズ・ドアー!!」
だ、だめだ!!数が多すぎる!!
危うし岸部露伴!!
『勝った!!』
「スリーーフリーーーズ!!」
露伴に飛び掛った犬がいきなり地面にめり込んだ!!
これは・・・康一のエコーズACT3の能力!!
「動物に罪はねぇよぉ!だから早くどっかに消えな。おら!」
エコーズの囁きで動物達は散っていった。
「そのスタンドは・・・康一くん!!」
『なにぃぃぃぃ!!?』
「からかわれてるかと思ったけど、ちょっぴり気になったから戻ってみたら、
露伴先生どうもやっぱり変だ。
家を外に出ても、壁を背にして歩いたり、他人の背中で交差点を渡ったり、
一人でやってるんだもの。いるんですね?背中に敵スタンドが」
「君のそういうところなんだよ。僕が君を尊敬するのは!
やっぱり君は親友だった!!」
「背中ですね?背中にいる敵を取り除けばいいんですね!?」
エコーズのスリーフリーズをチープ・トリックに浴びせた!!
『お、重い・・・』
露伴の背中からチープ・トリックが剥がれ落ちる!!
「やった!!」
その瞬間!!
露伴の背中が裂けていく!!!
「うわあああああああ!!」
『甘いんじゃぁねぇか?僕はパワーではなく能力でひっついてるんだ!
僕を無理に剥がそうとする事はお前の背中を破壊することなんだぁ!!』
マジかよ・・・どうしようもないじゃないか!!
『康一に言ってやれ。ねっ?早く言ってやれ!!』
「露伴先生!」
「こ、康一君・・・君が来てくれたことは凄く感動しているし、
感謝もしているんだ・・・でも、ACT3を引っ込めてくれると嬉しいんだが・・・」
「え」
「君からは見えないが・・・僕の背中がちょっぴりだが裂け始めているんでね」
露伴の背中から血が吹き出る!!
「うわあああああああ!!ACT3!!スリーフリーズを解除しろぉ!!」
「SHIT!了解しました!」
「ろ、露伴先生!だ・・・」
『大丈夫なわけねーだろ!!広瀬康一ィ!!
お前のせいだよね!このダメージは!!』
『これでわかったぁ?僕をとる方法は無い!!
僕をひっぺがすことは露伴!お前の背中をひっぺがすってことなんだからなぁ!!』
それでも露伴は壁に背中を押し当てながら進んでいく。
『疲れるだけだよ?疲労とダメージでぶっ倒れるのが先か、
精神が参っちまって自滅するのが先か・・・』
『どんな最強のスタンドだろうが、しゃべるだけのパワーのない僕を倒すことは出来ない!!だっはっはははは!!』
「背中にいるスタンド・・・一体どんな!?」
「ふふふ・・・どんな?見たい・・・のかい?」
「どんなスタンドか・・・いいよぉ・・・?
見せて・・・あげるよ・・・」
やべぇww露伴がぶっこわれた(((( ;゚д゚)))
「うぇへへ・・・」
顔が完全にいっちまってるww
「ヒッヒッヒッヒヒ!!」
「ろ、露伴先生・・・」
そして!!ついに露伴が康一に背中を見せた!!
「ハハハハ・・・」
『ついに参っちまったかぁ!!承太郎のところに行ってもムダだとわかったんでぇ!!』
「承太郎?プクク・・・僕は最初からそんなところへは向かってないよ。
ここへ向かってたんだ。遂に到着できて嬉しくってね。つい笑っちまったよ。
くくく・・・」
『何をブツブツと!!お前はついに他人に背中を見せたな!!
次は広瀬康一にとりついてやる!!』
そういってチープ・トリックがふり返った瞬間だった!!
「こ、この場所は・・・このポストは!!」
「チープ・トリック・・・この場所でお前は振り向いた。
もっとも、もしここが何処だか分かっていて振り向くまいとしても、
お前はその自分の能力ゆえ、康一君のほうを絶対に振り向かざるを得ないけどな」
『な、なにぃいいいいいい!!』
闇からいずる者の手により、チープ・トリックは掴まれ、闇に引きずり込まれる!!
「決してふり返ってはいけない鈴美さんのいる小道!!」
「確かにどんなスタンドだろうが、取り除こうとすれば、お前は僕にダメージを返す。
しかし!!お前だけを掴めるものはいたな。
ふり返った者だけを引っ張っていく者が!!
お前の魂だけを連れ去る者が!!」
『ぐああああああああ!!はなせ!ねっ!はなせ!!
何処へ引っ張っていく気だ!ねっ!』
「あの世だよ。天国とか地獄とか、あるのかどうかは知らんが、
念のため書いといてやるよ」
ヒェ・・・!!
これが露伴を怒らせた代償なのか(((( ;゚д゚)))
『ぐああああああああああああああああああ!!』
こうしてチープ・トリックは闇へ消えていった。
「ふぅ・・・しゃべる以外何もしないが、もの凄い奴だった・・・
康一君、ほんと君が着てくれなければ僕はここに来れず、ころされていたよ」
「でも、いつの間にかここに来ると、奴に夢中で気がつきませんでしたよ!」
そんな中、鈴美が露伴の写真が気になるという。
後編に続く!!
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